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【E3 2013】Xbox 360に最適化された「World of Tanks Xbox 360 Edition」プレイレポート

登録ユーザー数6000万人のモンスタータイトルがXbox 360に参戦

6月11日~13日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 6月10日に開催されたMicrosoftのプレスカンファレンスで発表された「World of Tanks Xbox 360 Edition」。Wargaming.netがPCで正式サービス中の戦車対戦ゲーム「World of Tanks」のXbox360バージョンだ。

 本レポートでは早速「World of Tanks Xbox 360 Edition」がプレイできたのでレポートと、開発元のWargaming.netの取り組みについて紹介する。

Xbox 360向けに最適化されたインターフェイスとゲームプレイ

E3前日に会場に現われた戦車は「World of Tanks Xbox 360 Edition」のためのものだった
Wargaming.netのブースではゆったりとした1人がけのソファーに座りリラックスした姿勢でゲームを体験できた

 「World of Tanks Xbox 360 Edition」はPCでF2P(Free to Play)タイトルとして配信されている「World of Tanks」のコンソール版だ。

 「World of Tanks」は6,000万人以上のプレーヤーを抱えるモンスタータイトルで、現在はインターフェイスなどもほぼ全て日本語化されており、日本のプレーヤーも多い。実在した戦車から設計図しか残っていない戦車まで、6カ国150種類以上の様々な戦車が収録されている。

 プレーヤーはその中から1台を選び2チームに分かれゲームをプレイする。マップ上の陣地を占領するか、相手チームの戦車を全て撃破すれば勝利だ。

 マイクロソフトのプレスカンファレンスで電撃的に発表されたタイトルで、XBOX LIVEのゴールドメンバーであれば基本無料でダウンロード、プレイができる予定となっている。

 Wargamingでアジア地域のディレクションを担当しているTaewon Yun氏によると、「World of Tanks」をコンソール版に移植したいという思いがあったそうで、その中でもXbox 360への参入を決めた理由としてXbox LIVEは4,000万人のユーザーを抱える巨大なコミュニティというのが大きかなポイントだったという。

 しかし一口に移植すると言ってもPCでプレイする環境と、Xbox 360でプレイする環境は違うので、特にUIや操作周りに力を注いで開発を進めたのだという。

 実際にWargamingのブースでは環境の違いという面をアピールするためか、1人掛けのソファーに体を預けながらプレイできるような試遊台が用意されていた。

 気になる操作方法だが、基本的な操作は左のアナログスティックで移動、右のアナログスティックで照準を調整、RTボタンで主砲を発射、というようにFPS/TPSに近い操作感になっている。これらのゲームに慣れ親しんでいるプレーヤーであれば直感的な操作ができる。使用頻度が高いミニマップなどの操作は十字キーに割り当てられている。

 操作やインターフェイスには力を入れたというだけあり、インターフェイスはかなり自然だった。家庭用ゲームということでテレビに繋いで少し離れたところから画面を見る試遊スタイルだったが、操作面でも表示面でも不自由は感じず、意識しなければコンソールネイティブなゲームに感じた。特に主砲を撃った後に伝わってくるコントローラーの振動は刺激的で、戦車戦ならではの重厚感が感じられた。

 PCで人気を博しているオンラインゲームがXbox 360、しかも基本プレイ無料でプレイできるというのはXbox 360ユーザーにとっては非常に魅力的だ。本作は7月2日より北米とカナダにてオープンβテストを開始する予定だ。日本を含めたアジア地域の展開がどうなるかはわからないが、PC版は日本語化されているし、先日Wargamingの日本オフィスも開設されたので期待して待ちたい。

【スクリーンショット】
Xbox 360で戦車戦が楽しめる

WargamingのゲームがのコンセプトがFree to PlayからFree to Winへ

設立15周年を迎えるWargaming.net。日本オフィスも新設され、様々な意味で節目の年となりそうだ

 Wargamingは「World of Tanks」以外にも、空戦をテーマにした「World of Warplanes」、海戦をテーマにした「World of Warships」、そしてスマートフォン版の「World of Tanks Blitz」等といったタイトルも開発している。

 ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金方式を採用しているが、Wargamingの中でコンセプトが変わってきたのだという。

 基本プレイ無料、アイテム課金システムを採用したタイトルでは、通常課金したユーザーの方が有利になるようにできており、Wargamingのゲームもその様なシステムだったという。しかし今後戦闘部分に関しては課金ユーザーもそうでないユーザーも平等になるように調整を進める方針だという。
それが「Free to Win」だ。これは課金すればその分だけ強くなる「Pay to Win」という言葉をもじった言葉だ。

 それでは「Free to Win」とはどのようなコンセプトなのだろうか。Yun氏は具体例を挙げて説明してくれた。

 例えば「World of Tanks」では課金することで戦車を購入できるのだが、それはゲーム内クレジットで買える戦車より移動が速いというメリットがあるが、その分防御力が低めに設定されているという。その為全体で見ると飛び抜けたメリットはないようにできていて、まったく課金しないプレーヤーと戦闘の差が生まれないようになっているとのことだ。

 ビジネスとのバランス取りが難しいと推測されるが、個人的にはそのスタイルは非常に興味深い。Xbox 360版配信で更なる盛り上がりを見せるWargaming.netの各タイトル。「World of Tanks Xbox 360 Edition」が日本で配信されるかを含め、今後の動向に注目して行きたい。

(八橋亜機)